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CRMの未来:誰が Salesforce.com を打ち負かすか?

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CRM(Customer Relationship Management)は1990年代後半ごろから登場し、およそ20年近くに渡って成長を続け、いまなお新しい製品、サービスが市場に投入されています。 そして、業種、職種により多少の違いがあれど、その CRM という言葉により表されてきたソリューションの形がある程度固定化されてしまってきているのではないかと思います。 今回は、次の CRM を考えてみることで半ば既成概念となりつつあった CRM の姿を再認識する必要があるかもしれません。

CRMの未来:次の世代のCRMは、今のCRMっぽくない

Salesforce を去ってから5年半経ちますが、私は今でもよく起業家やベンチャー投資家から次の世代の CRM はどんなものだろうかと尋ねられます。言い換えれば、10億ドルの価値がある次のような質問をされるということです。

誰が Salesforce.com を打ち負かすか?

私はこのエントリ(注:次世代のCRMとして非常にユニークなCRMソフトの紹介がされている記事。そして、そのいずれもが従来型のCRMの枠の中に入っている。)のような CRM の未来についてよく書かれた記事を目にします。そして思うのは、CRM の世界を狭く見積もらない方がいいということです。私は個人的には Salesforce がそのプラットフォームを持って100 億ドル企業になるであろうことを信じています。それはそれなので、Salesforce と同じことをしてその道を邪魔しないようにしましょう。そうではなくて、はるかに興味深い質問はたぶん次のような形になると思います。

未来の CRM の姿はどのようなものになるか?

(先のエントリのように)多くの興味深い CRM スタートアップがいる一方で、CRM の未来はすでに起きていると思っています。単に私たちはそれを認識していないだけなのでは?と思います。ウィリアム ・ ギブスンから引用すれば、 『未来はすでにここにある。ただ、うまく分配されていない。』ということです。

いくつか例を挙げて説明してみます。

  • Uber という CRM :
    Uberがしていることを見てみると、それはタクシー運転手と顧客がお互いにリアルタイムにつながることを支援したり、取引を行わせたり、フィードバックループを含んだリレーションの管理していることが分かります。Uberは明らかにタクシーアプリですが、タクシー市場に最適なCRMツールであると考えることもできます。
    UberのHP
    https://www.uber.com/
    Uber についての日本語の記事

  • Simple という CRM :
    Simple は、そう広く知られていない銀行アプリですが、あなたにとっての銀行となるモバイルアプリです。このアプリを介して銀行とのリレーションのあらゆる側面を管理できます。ほとんどの大手銀行は銀行アプリを提供していますが、Simple はそれらの存在を忘れさせてくれるほどシンプルです。
    SimpleのHP
    https://www.simple.com/
    Simple についての日本語の記事

  • AirBnB という CRM :
    もしあなたが休暇用の別荘をレンタルしようとしているなら、あなたとその別荘主の間にはあるリレーション、つまり、別荘の予約からレンタル契約の締結まで行われるというリレーションが存在しています。AirBnBによりあなたと別荘主はそのリレーションの全ての側面を管理することができるため、AirBnBは完全な CRM であると考えることができます。
    AirbnbのHP
    https://www.airbnb.jp/(日本語サイト)

  • Trulia という CRM :
    もしあなたが不動産代理店業なら、最近買収した Market Leader と組み合わされた Trulia のアプリはフルカバレッジの CRM システムとなります。
    TruliaのHP
    http://www.trulia.com/
    Trulia についての日本語の記事

  • Open Table という CRM :
    もしあなたがレストランオーナーなら、あなたは Open Table を使った予約管理を利用することで、CRM を開始することができます。
    OpenTable
    http://www.opentable.jp/(日本語サイト)


Siebel のような従来型の CRM システムは営業プロセスの自動化に焦点が当てられており、かつ典型的なB2B対応しかしていませんでした。昨今のモダンな CRM は顧客との体験を大幅に改善させていますおり、単純に顧客との関係を管理することで販売機会を得るだけという次元の話ではありません。それは本当の意味での顧客とのリレーションのライフ サイクルを管理することに行きつこうとしています。

Trulia, Open Table, AirBnB などを利用する企業は(従来の) CRM マーケットに存在さえしていないに注意してください。

これは真に断絶が起きていると見ることができます。

CRM は元来、業界特性が効いてくるものです。 もしあなたが、(従来型の引合から見積作成までのプロセスやコールセンターをうまく運営すること等ではなく)本当の意味で企業と顧客とのリレーションを管理することを支援するための自動化や効率化を行いたいならなおさらです。
あなたがホテルの部屋を借りている時、部屋の予約はホテルとあなたの間での核となるリレーションです。あなたが自動車ディーラーと交渉している時、自動車修理の体験はあなたのリレーションの核となるでしょう。

いわゆる顧客の360度ビューは、しばしば、企業がどのように顧客に対応したかという履歴が集められているだけですが、それだけでは十分ではありません。 必要なのは単純な対応履歴のビューではなく全ての対話履歴です。

企業はますます顧客とうまく対話することを支援するアプリケーションを探すことになるでしょう。この相互作用はモバイル(スマートフォン)のエリアへ移行していきます。そして、CRM システムにはこれらのことをモバイルアプリとして対応していくことが求められていくことになるでしょう。

私は、医師、レストラン、自動車販売、製薬会社、そしてタクシー運転手などのための次の世代の CRM が新しい世代のモバイルアプリになると思います。

この記事の中で語られていた新しい CRM のいずれものが CRM が本質的に持っているリレーションを管理するというコンセプトを実現していることに改めて気づかされます。 それらが、CRM という言葉の意味を変えるものとして定着するかどうかは時間を経てみないと分かりません。しかしながら、20年前と同じ売り方ではものが売れない時代で売上を作っていくためには、こういった自由な発想の顧客体験を提供していく必要がありそうです。

また、今回の記事に近いと思われる CRM とソーシャルとの融合や、CRM とアドテクとの融合も注目していきたいエリアですね。


この記事は、http://www.enterpriseirregulars.comに掲載された「Future of CRM: Next Gen CRM does not look like CRM」を翻訳した内容です。

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投稿日:2013年10月30日 カテゴリ:CRM マーケット トップニュース