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Microsoft Dynamics CRM 2013 レビュー その1

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2013年10月、MicrosoftよりDynamics CRMの新バージョンであるDynamics CRM 2013 Onlineがリリースされます。crmreviews.jpは、まずは2回に渡ってCRMsearch.comよりそのレビュー記事をお届けします。1回目となる今回はDynamics CRM 2013 Onlineの前バージョンのDynamics CRM 2011から機能が拡張されたポイントを中心に展開していきます。

Dynamics CRM 2013の5大進化ポイント

1.新しく改良されたユーザーエクスペリエンス(UX)

私はTAP(Technology Adoption Program:技術評価プログラム)の一環として、7月下旬以来、このDynamics CRMを評価してきています。そして、使えば使うほど、どんどんこのDynamics CRMがお気に入りになってきました。私は「人の好みは様々である」を知っています。そして、UXを客観的に測定することは困難であることも知っています。しかしながら、オンザフライ学習体験(マニュアルなどを見ずに触れてみてソフトウェアの仕様・操作を理解するすること(訳者注:多くの場合あまり良い結果を生まない))や、より直感的なナビゲーション、より学習者にとって操作を吸収しやすいことなどへ貢献する画面設計やUXが存在することに気づかされました。

Dynamics CRM 2013のユーザーインターフェイス(UI)には、2つの大きな変化があります。第一にはエンタープライズ·ソーシャルツールであるYammerとの統合です。これは強力なソーシャルなツールですが、残念ながら内部のコラボレーションに制限を持っています。

第二の大きな変化は、静的なレコードにコンテキストを追加する際に有効な(フォームの一番上にある)プロセスフローコントロールです。任意の特定の(アカウント、連絡先、活動、機会、ケース、キャンペーンなど)のレコードの参照のみならず、プロセスフローコントロールによりレコードの履歴(それがどのように現在の状態になったかなど)と、最終的な行き先(望ましい結果を達成するために、次に必要なステップは何か?)の確認が行えます。

プロセスフローコントロール

レコードの管理に業務上での情報ライフサイクルの視点を持ち込み、あるコンテキスト(それが存在している場所、それが発生している場所などを含んだ情報)の下で情報を共有するということは、静的な情報の記録よりもはるかに洞察をもたらし、より良く情報を共有し、積極的なガイド(次に必要なアクションを知らせること)としての機能を持ちます。結果として、単純な管理よりも、より実用的な情報の管理となります。

強力なユーザーエクスペリエンスは、主観的な美しさ以上のものがあります。CRM業界にいる誰もが知っていることですが、CRMの選択と活用はソフトウェアの投資回収を達成するための課題そのものであり、かつ成功基準でもあります。UXは、これらがうまく機能するために必要な非常に重要な要因の1つです。


2.モバイルでの活用を拡大 

世界のモバイルワーカー人口は2015年までに総労働力の13億、または37%に達すると言われています。この増大する需要に応えるために、Dynamics CRM 2013では、Windows 8/SurfaceとiPad用のマルチデバイスのサポートとともにYammer、SkypeとのLync(http://office.microsoft.com/ja-jp/lync/)が提供されます。タブレット端末は、CRMの世界では非常に大きな需要があるため、iPad向けネイティブのiOSソリューションを提供しています。モバイル端末のための追加料金はありません。オフラインでのモバイルソリューションはまだありませんが、2014年第3四半期に(開発コードVegaにて)リリースを予定しています。


3.ビジネスプロセスオートメーション(業務の自動化)

私はビジネスプロセスオートメーションの長年の支持者です。それは、スタッフの生産性を向上させ、ビジネスのサイクル時間を減少させ、少ないリソースでより多くを行う方法という矛盾する問いへの答えでもあると思っています。ビジネスプロセスオートメーションにより単純なリポジトリへ格納するだけの情報管理から、適切なタイミングで適切な人に適切な情報を提供し、ダイナミックな情報活用プラットフォームへとCRMを進化させます。Dynamics CRM 2011年以前にはワークフロー機能により、スクリプト会話やデータ取得、非同期処理などが行えました。Microsoft CRM 2013はさらに拡張されています。

まず、(トリガーとCRM非同期サービスはまだバックグラウンドで実行されていますが)今やワークフローはイベントやユーザからのリクエストに応じてリアルタイムに動作します。ワークフローは同期、非同期両方の処理に対応することができます。

第二に、対話型での定義に加え、Microsoftはアクションとビジネス・プロセスフローを追加しました。アクションは、承認、拒否 ​​、ルート、エスカレートやスケジュールなどの意思決定行動を含めた(これまでの単純な)CRUD処理のみを行う(作成、読み取り、更新、削除)だけではないトリガーワークフローとして利用することができます。ビジネス·プロセスフローは、コンプライアンスやプロセスの制御やゲート機能として活用することができます。例えば、あるステップが完了しないと次のステップの実行が許可されないなど。

これまで通りの対話型での定義、子ワークフローの呼び出し、条件分岐とエンティティ全体動作など提供されますが、上記を含めたこれらはより先進的なプロセスの管理方法であり、他の競合製品のそれと比べて非常にユニークな機能です。


4.ビジネスルール

私はめったに言及されないビジネスルールという機能があることに気が付きました。ビジネスルールとはユーザベースでフォームまたはページ上に表示する内容を動的に変化させる機能です。例えば、あるユーザがデータ入力を行う場合には、特定の項目を必須にしたり、逆に画面上に表示させなくしたり、するような機能です。これらの機能がプログラミングすることなく定義することができます。これによって、(全てではありませんが)これまで長年に渡ってDynamicsコンサルタントたちが書いてきたJavaScriptコードを置き換えることができます。(訳者注:結果的に、開発コストと運用コストの両方を低下させることができる)


5.費用対効果

コストはどんなCRMソフトウェアを選択するかにおいて非常に重要な要因です。クラウドの普及とサブスクリプションによる価格設定は設備投資費から運用費にコストのモデルを変更し、より予測可能なものとしました。確実によい選択であったとしても、常に低いTOC(総所有コスト)となることはありませんでした。すべてのCRMユーザーがCRMソフトウェアと同じアクセスおよび権限(つまり同じ機能が必要ではないということ)を必要としているわけではありません。ヘビーユーザーもいれば、ライトユーザーもいます。すべてのユーザーが最も高い費用のライセンスを要求する場合のTCOは劇的に上昇していまします。
Microsoft CRM 2013は、各ユーザーのニーズに基づいてライセンスを組み合わせることができるようになっています。この柔軟なライセンス選択はユーザに大きなメリットをもたらします。

crmreviews.jpでのDynamics CRM 2013のレビューは今後となりますが、今回ご紹介したポイントはどれも期待が持てそうです。個人的には、「3.ビジネスプロセスオートメーション(業務の自動化)」や「4.ビジネスルール」に特に興味があります。実際の導入や活用を考える上で考えなければならないポイントですし、Dynamicsが他のCRMと比べてメリットを出しやすいポイントになると思っています。

次回、Microsoft Dynamics CRM 2013 レビュー その2では、今回のDynamics CRM 2013でのウィークポイントについての話です。


この記事は、CRMsearch.comに掲載された「Microsoft Dynamics CRM 2013 — Hits and Misses of the New Release By Chuck Schaeffer」を翻訳した内容です。CRMsearch.comは様々なCRMアプリケーションやCRMに関する有益な記事を紹介しているサイトであり、本サイトとはパートナー関係にあります。

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投稿日:2013年10月18日 カテゴリ:トップニュース レビュー